雪の日の朝
やっぱり雪道は恐ろしい
ニュースでは、夕方より、この地域では非常に珍しいことに、10年に一度の大雪で、平野部でも積雪が見込まれるため、外出は控えるように、再三の警告が発せられていた。
車通勤の私は、路面状況が気になり、夜間何度も目覚め、普段なら、トラックなどの走行音が聞こえてくるのだが、高速道路は今夜、しずかに、明るく白い、新雪のゲレンデのような景色が広がっていた。
私の住居は、坂の上にあり、車通りのある道に出るまでカーブが何か所もあるような所だった。
いつもの出勤時間より、一時間早く出ようとして、エンジンをかけフロントガラスなどにガリガリに付いた、雪と氷を落としていると、隣人と顔を会わせてしまい、「こんな雪の日に、どこへ行こうとしているのか。」「危険だから、今日は休みなさい。」と、妻と同じことを言われたが、車通りのある道まで行ってみる。と答え、そのまま出発することにした。
時速10キロぐらいでゆっくり走る。何回か、横滑りしているとの警報が鳴りながらも、何とかたどり着くことができた。
その後いつもは高速道路を一区間だけ利用するが、坂の少ない車通りの多い一般道を選び、他の車同様に、ノロノロと走る。
どうしても避けて通れない長い坂道を、対向車線の二車線をトラックが塞いでしまい、全く動かなくなった車列を横目に、何とか登り切り、普段は通らない、狭いが平坦な道を、冷や汗をかきながら、スキー場のようになっている当院の駐車場にいつもの時間ぐらいに無事たどり着くことができた。
詰所に入ってみると、夜勤者と、一人の日勤者が、早くから忙しそうに仕事をしていた。
聞くと、いつもより二時間以上早く家を出て来たと言う。夜勤者も、居残って仕事をしてくれるとのこと。
そうこうしているうちに、遅れはするものの、一人、又一人と出勤して来ては、雪道の恐ろしさを話し、業務をこなしていく。
結局、出勤出来なかった職員は、通勤手段が無かった一人のみで、昼前には他の職員は、全員出勤することができ、患者様に、大きな迷惑をかけることなく一日が過ぎた。
いつもは、「雪が降ったら、休むよ・・・」などと言っているが、看護師の使命感なのだろうか、車や、電車、徒歩など、可能な手段で何とか出勤してきた同僚に感謝の気持ち、感動を覚えた。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた時も、今回の大雪の時も何とかやってこられたのは、このような方たちがいてくれるからだと、頭が下がる思いだった。
慣れない積雪での出勤には大変苦労させられた。
改めて、雪道や凍結した道にはスタッドレスタイヤが大切ですね。